風水にはどんな流派があるの？

「風水」というと、なんだかものすごく専門的で
とっつきにくいイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

確かに、本格的に学ぶとなれば難しい学問ですが、
最近は素人にもわかりやすいように
易しい言葉＆イラストつきで解説されている書籍も増えてきました。

私も、一般的な書店で販売されている書籍を色々読んできましたが…

風水で最も難しいなと感じるのは、
流派によって解釈が変わってしまうということです。
実に多くの流派があり、各方角が持つ意味なども違う…。

風水にはどんな流派があって、それぞれどう違うのか？

おそらく同じような疑問をお持ちの方も多いと思いますので、
ここで簡単におさらいしていきましょう！

家の間取りや家具のレイアウトを決める際に、
風水の知識を参考にしている方も多いのではないでしょうか。

しかし、ちまたに出回っている風水の情報は玉石混交。
「方位に関するジンクスは全て風水が元になっている」
と誤解してしまいやすいのですが、実際はそうではありません。

まず、風水を3つに分けて考えてみましょう。

地理風水…土地の良し悪しを決めるもの

陽宅風水…間取りの良し悪しを判断するもの。いわゆる「家相」

陰宅風水…お墓の良し悪しを判断するもの。いわゆる「墓相」

この中で最も基本的なのは①の地理風水。
まずはしっかりとした土地を選ぶことが大事だよ、ということですね。
土地選びについては、「風水を生かした土地選び」で詳しく解説しています。

その上で、今度は家相を整えていこうというわけ。
「寝室は○○の方角にしたほうが良い」とか
「○○の方角に□色のアイテムを置くと金運が上がる」
…といった一般的な「風水」のベースにあるのは
「陽宅風水」だということです。

ただ、この中には非常に多くの流派があり、それぞれ考え方も異なります。
メジャーどころだと、八宅派や玄空飛星派などがありますね。

風水で知名度の高い流派といえば、「八宅派」。
日本では最もメジャーな流派だと言っても過言ではないでしょう。

具体的には、生まれ年によって人を8つのパターンに分類します。
それぞれ、天から受ける運気の傾向が異なるという考え方に基づき、
それがその人に方位的な影響を与えると言われているのです。
専門的には、「磁性感応傾向」と呼ばれていますよ。

「私の吉方位ってどっち？」でも解説していますが、
八宅派の風水では「本命卦」によって吉方位と凶方位が変わります。
東側に吉方位があれば「東四命」、
西側に吉方位があれば「西四命」…と、
二分できるのが特徴的です。

ご自身の本命卦についてはこちらの表を参考にしてください。

八宅風水では、その人の「本命卦」に加えて
家の吉凶方位（宅卦）も重要視します。
それを割り出すには専門的なテクニックが必要になりますが、
最も簡単な方法としては、

方位磁石を持って、家の中に背中を向けて玄関に立つ。
↓
家の中（坐山）と、ドアの外（屋向）の方位を割り出す。

本命卦と宅卦の吉凶方位が一致することが理想的で、
このような状態を指して「宅命相配（たくめいそうはい）」と表現します。

一方、「玄空飛星派」は、ちょっと占星術に近いニュアンスの流派。
主に、中国や台湾で普及している流派です。
八宅では空間を45度ずつ区切った「8方位」に分けるのですが、
玄空飛星派では15度ずつ「24方位」に分けます。

ちょっと複雑で素人にはわかりにくいのですが、
時間と共に「飛星」という架空のエネルギーが動き、
それによって各方位が持つ意味も刻々変化する…
という考え方が特徴的です。

西洋の占星術では、
「太陽や土星などの星がどの星座の範囲内に位置しているか？」
ということで運気を読み取りますよね。
それと似たようなイメージで、
太陽や土星に相当するのが「飛星」というわけです。

この他にも、風水には様々な流派があり、
どっちが自分にとって吉方位なのか、解釈も異なります。
どの流派が正しいのか…という疑問に対しては、
残念ながら明確な正解はありません。

様々な流派や理論の知識を蓄えた上で、
「この考え方が自分にはしっくりくるな」と感じる流派を選んで
日々の生活に生かしていくというのが理想的な在り方ではないでしょうか。

インテリアコーディネートに生かせる風水を紹介します。